ブラック企業に勤めていた頃の思い出(3)
ブラック企業にもいろいろなタイプがあります。
というか、考えてみればそもそも企業という存在の由来がブラックです。言うまでもなく資本主義のことです。
19世紀初期資本主義の企業ーというか工場ーは悲惨です。小さな子どもや婦女子など弱い存在ほど酷使され、映画の『あゝ野麦峠』の製糸工女の世界です。
マルクスのおかげなのかどうなのか知りませんが、20世紀になって資本主義も変容し、奴隷同然の酷使は徐々に改善されていきました。そして日本だと第二次世界大戦後の高度経済成長期、一時期三池炭鉱争議や安保闘争で盛り上がったりしましたが、一億層中流化して労働者も保守化しました。
ただブルーカラーに代わって今度はホワイトカラーの「過労死」が登場するようになります。
しかもそれもたびたびマスコミで取り上げられて騒がれたりしたおかげで労働時間の短縮など労働環境の改善は一応進められてきたはずでした。
状況が変わってきたのは、中期的に言えばバブル崩壊以降の平成不況、そして止めを刺したのがリーマンショック。デフレ経済化での人減らしで失業者が一挙に増え、正規雇用が減らされ、非正規雇用、派遣社員が増えました。
解雇や非正規雇用が増えたということは、労働市場が流動化して欧米のようになった、とも見えます。ですが、この「流動化」のかげで、それまでにはあまり見られなかった一風変った「ブラック企業」も現れてきました。
それがわたしが就職した会社でした。