石を売る

無能オヤジの無能ブログです

ブラック企業に勤めていた頃の思い出(2)

 先日の話の続きです。

 

 面接は結局、1時間ぐらい社長が一方的に話をして、あとは過去の経歴やスキルについて簡単に質問されただけでした。そして新規事業の展開にどうしても特定のスキルをもった専従スタッフが必要で、しかも4月から早速スタートするのでできればすぐにでも来てもらいたい、とのことでした。要するに、提出した職務経歴書だけで内定を決めていたということでしょう。

 わたしはそのときは社長について、押しが強そうではあるが基本的に紳士的な人だ、という印象をもちました。事業内容や事業計画についても具体的な数値を細かく上げながら丁寧に説明してくれましたので、さすがにコンサルだけあって頭が切れそうだとも思いました。ちなみに社長はもともと一部上場の大手企業のサラリーマンだったのですが、課長職のときに脱サラして友人達と一緒に起業したそうです。ただその後紆余曲折を経て、他の友人達は会社から離れて現在は社長一人が経営者として残っているということでした。

 

 わたしは当時は、年齢が年齢だけに相当の苦戦を覚悟していたので、たまたまスキルがマッチングする就職先が見つかってラッキー、と内心大喜びでした。もちろん妻も喜びました。

 結局きりのいい4月1日付けでの採用ということになりました。初日の1日にオフィスに出向くと、再び社長の奥さんが出迎えてくれて、簡単な入社手続きをした後に従業員のいる仕事部屋に案内されました。そこには男性社員と女性社員の2名がいました。

 部屋に入って2人と挨拶したそのとき、隣の部屋から社長が男性社員を呼びつけました。男性社員があわてて行くと、突然とてつもない怒鳴り声。ものすごい大声が会社中に響き渡り、しかも机をバンバン叩いたり、ホワイトボードをガンガン殴りつけたりする音がします。

 

 「これはもしや・・・」 全身から血の気が引いたことは言うまでもありません。